●コンサート
大学での仕事以外に、コンサートのオファーが度々ありました。
彼自身が提案したチャリティーコンサートも行われました。(例えば四川地震救援のチャリティーなど)。大小あわせて44回のコンサートに出演したことになります。
アメリカはジャズの国と言われ、音楽的な感性も異なるかもしれない…。またモンゴル音楽と馬頭琴について、よく知られているも思えない…。そんな心配がありました。
でもリポーの馬頭琴は、単なるもの珍しさだけでなく好感を持って迎えられ、高い評価を得ることができました。
(写真右は、ハープとの共演風景。馬頭琴とハープのコラボなど、きっと珍しいものでしょう。下の3枚は、コンサートのポスターの例です。中央は四川地震救援のチャリティーコンサートですが、およそ1万ドルを義捐金とすることができました)
●仕事
平日はもちろん、ワシントン大学で馬頭琴の指導です。
――馬頭琴の生徒さんは延べ80数人。
赴任当初は英語がわからず、指導するのにちょっとばかり苦労したようです。
ハイ、ロー、アップ、ダウン、ライト、レフト…など最低限の単語だけ…。
でも言語・聴音能力にすぐれたリポーのこと。しばらくして不自由なく会話できるようになり、練習も進むようになった、らしいです。
●リポー夫妻の週末は?
週末の土曜日は、さすがアメリカ。夫婦ふたり揃ってホームパーティーにおよばれすることが多かったそうです。
珍しい経歴と才能の持ち主であり、誰にも好かれ、そのうえ話の楽しいリポー夫妻は、シアトルでも”もてもて”だったのですね。
日曜日は?
じつは、キリスト教会へ出掛けていました。
リポーはキリスト教徒ではないのですが、教会に行き、敬虔な雰囲気を感じ、荘重なオルガンの響きと聖歌隊の賛美歌に耳を傾ける。それは心豊かな時間でした。
西洋音楽のルーツはきっと教会音楽の中にあったのでしょうね。
信者の祈りの音楽の中に身を置き、オルガンや聖歌の響きを心で受け止める。――幼少からモンゴルの民族音楽の中で育ってきたリポーにとっては、そのひとときが新鮮で、多いに感じるものがあったと、彼は申していました。
それに、礼拝のあとで教会で行われる英語教室やティータイムでの、人々との触れあいも楽しみだったようです。

生徒さんは、チェロをやっていたというバリバリのすごい生徒さんから、それなりの人まで、まあ、ピンからキリまで(笑)。
でも音楽を愛する心は万国共通だったようです。
右下の写真は生徒さんと一緒に馬頭琴の発表会。
ワシントン大学の前でハイポーズ!
《ワシントン大学はどんな学校?》
ネットで調べてみました。
ワシントン大学はアメリカ西北部でもっとも著名な州立大学。1861年創立であり、150年近い歴史と伝統を誇る。
大学の設備は州立大学と思えないほど充実している。医学部門が特に高い評価を得ている。また近くにマイクロソフトの本社があることからか、コンピュータサイエンスでは全米で常にトップ5に入る。
――とまあ、こんなすごい大学なんですね。
●住まい
こんなおしゃれな家に住んでいました。(貸室で、この家の2階に)
築90年になろうかという古い家。でもよく手入れされていて、外観は古さを感じさせません。
シアトル郊外の緑豊かな閑静な住宅街。
家具が全部ついて、快適な暮らしでした。
リポーのシアトル暮らし写真館 (その1)
リポーの2年にわたるアメリカ・シアトルでの暮らし…。
さてどんなだったのでしょうか?。
彼が持ち帰った写真で、その暮らしを覗いてみましょう。 |
聖歌隊の歌声
余談ですが、アメリカは多民族が共存して暮らしています。
写真を見てわかるように、シアトルでは中国・韓国ほかアジア系の人々が大勢住んでいるのです。